MESSAGE
「国語力の3乗は人間力」を
合言葉に、
子どもたちの
「学びに向かう力」を
育みます
京都女子大学附属小学校は、1957(昭和32)年に創立され、親鸞聖人が顕かにされた仏教精神に基づき「こころの教育」を実践し、子どもたちを育ててまいりました。
本校の子どもたちには「ちかい」があります。そこには「すなおにみ教えをきます」「かならず約束をまもります」「いつも本当のことをいいます」「にこにこ仕事をいたします」「やさしい心を忘れません」と記されています。いずれも「わたしごと」と考え、身近な人の気持ちに寄り添うことのできる心を育むものです。
ところでこのホームページをご覧になって「?」(何かしら)と思ったところはございませんか。「国語力」という言葉の右肩に小さく数字の3が付いていることに気づかれたでしょうか。
「国語力3」(国語力の3乗)です、馴染みのない言葉ですね。AIに問いかけたならいったいどのような回答を導き出すのでしょうか。いわば「国語力」の因数分解です。
ある人は(話す力)×(情報を活用する力)×(問題を発見し解決していく力)と読み解くかもしれません。またある人は(知識を得る力)×(見たことのない状況に対応できる力)×(学び続ける力)と読み取るかもしれません。
皆さんなら「国語力」という言葉にどのような意味を込め、掛け合わせますか。
子どもたちは日々、様々な問題と出会っています。それらを自分の力で解決していく中で成長していきます。教科においても、教師が立てた問いに対して子どもたちが「正解」を探すのではなく、子どもたち自らが課題を設定し、解決に向けて情報を集め、整理して分析すること。周囲の人たちと話し合い、協働しながら進めていくという探究型の学習が求められるようになりました。
試験の点数をとるだけの学習では、試験が終わってしまえば学習する意欲は薄れてしまいます。未来を生きる子どもたちに必要とされる資質・能力を育むためには、子どもたち自身が「学ぶことの意味」に気付く必要があります。 「国語力の三乗」って何だろう。いったい何と何と何を掛け合わせてみるといいのだろう・・・。まずはこうした疑問への探究を通して「学ぶことの意味」、さらには「主体的に挑戦してみること」や「多様な他者と協働しながら学ぶとどのような力を身に付けることができるようになるのか」、ということに気付いてもらいたい。それが「学びに向かう力」となり、今の時代に求められる「人間力」となっていくからです。
これまで附属小学校では長きにわたり「国語力は人間力」を合言葉にしてきました。これからは、今まで以上に子どもたちの「学びに向かう力」を育んでいくという思いを込めて、「国語力3は人間力」を新たな合言葉にしていきます。
京都女子大学附属小学校は、「国語力の3乗」って何、 と疑問に思える子ども、自分の力で答えを出してみようと探究する子どもを育てる学校です。そして私たち教職員一同は、探究心豊かな子どもたちに寄り添い、さまざまな課題に挑戦していく子どもたちを支えてまいります。
校長 坂口満宏