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7月27日(土)入試説明会での挨拶―「国語力の3乗」について

24.07.27

7月27日(土)に開催された入試説明会にて「挨拶」としてお話したことの一部を紹介します。 

 

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皆さん、おはようございます。 

本日は、お暑いなか、京都女子大学附属小学校の入試説明会にご参加いただき、ありがとうございます。 

9月11、12日に実施予定のA日程入試まで60日となりました。皆さんの入試に対する関心もピークに達しているものと拝察いたします。 

2025年度入試の概要とその特徴につきましては、この後、副校長より詳しく説明いたしますので、ここでは先ほどご覧いただいた学校紹介動画につきまして、少しお話ししたいと思います。 

 

今年度作成しました動画は、ご覧いただいたように「国語力の3乗は人間力」を新たな合言葉としておりますが、動画の中で子どもたちがつぶやいていたように、「国語力の3乗」とは聞いたことのない言葉だと思います。それもそのはずで、「国語力の3乗」という言葉は今年の春先に本校の校長になるにあたり私が造り出したものだからです。 

 

ご存知の通り、本校では2008年度より「国語力は人間力」を合言葉とし、「敬語、とりわけ丁寧語が使えることを大切にして行儀のよい学校」を作ることを目指してきました。それから16年、おかげさまで附属小学校の児童といえば丁寧語が使えて、しっかり挨拶することができる子どもであるとの定評をいただくことができ、今日にいたっております。 

 

その一方でこの間のICT技術の進展は目覚ましく、ありとあらゆるものがインターネットで結ばれるようになり、第四次産業革命の時代が到来したといわれています。そしてAI人工知能を実用化したロボットが単純労働や製造業、接客業の仕事を担うようになり、今から15年後には既存の職業の40パーセント余りがなくなるのではないかとの予測もたてられています。 

 

他方でこれまで私たちが見たことも聞いたこともない新たなタイプの職業や業種が創出されるといわれていますので、今の子どもたちが大人になり、仕事に就く2040年頃には、既存の技術やマニュアルでは対応できないビジネスや働き方が普及していることでしょう。 

 

それゆえに今の子どもたちに求められている力とは、こうした未知の状況や急速に変化していく社会の動向に柔軟に対応していける力であり、正解のない問題に直面しても粘り強く取り組み、最も適切な答えを導き出してみようとする探究心だとされています。 

 

2020年度に新しい学習指導要領が導入され、新たな学びのあり方が示されました。その中で強調されていたことが「社会に出てからも学校で学んだことが生かせるよう、3つの力をバランスよく育むこと」とするものでした。 

そこで示されていた3つの力とは 

   「実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能」 

   「未知の状況にも対応できる思考、判断、表現力」 

   「学んだことを社会や人生に生かそうとする学びに向かう力、人間性」 

というものでした。 

 

この度、本校では「国語力の3乗」という聞き慣れない言葉を合言葉としました。この言葉について、先ほどご覧いただいた動画のなかでは、ある人の語りとして、(知識を得る力)×(これまで見たことのない状況に対応できる力)×(さらに学んでいこうとする力)と解釈し、それらを互いに掛け合わせてみるかもしれません、と述べていました。すでにお気づきの通り、こうした解釈は新しい学習指導要領が求めていた3つの力の定義を借用し、少しだけ言い換え、掛け合わせてみたものでした。 

 

試験の点数をとるだけの学習では、試験が終わってしまえば学習する意欲は薄れてしまいます。 

未来を生きる子どもたちに必要とされる資質・能力を育むためには、子どもたち自身がなぜ各教科を学ぶのか、ということ、すなわち「学ぶことの意義」に気付いてもらうことが必要となります。 

「国語力の3乗」って何だろう。いったい何と何と何を掛け合わせているのだろう。そうした疑問への探究を通して「学ぶことの意味」、さらには「学ぶとどのような力を身に付けることができるようになるのか」、ということに気付いてもらいたいと思った次第です。 

以上、「国語力の3乗」という聞き慣れない言葉を創りだした意図をお伝えし、校長としての挨拶とさせていただきます。 

 

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ではまた                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   坂口満宏

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