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季節の話題として先週まで附小のグラウンドで香っていたキンモクセイの花の話をしようと思っていましたが、今朝の雨でオレンジ色の小さな花弁はすっかり落ちてしまったようです。写真は先週の金曜日に撮影したものです。
附小のグラウンドにはキンモクセイの木が4本あります。それらが今のグラウンドが整備されたころに植えられた木だとすれば、樹齢は48年余りかと推測されます。
校長先生はキンモクセイのことをよく知らなかったので、インターネットを使って信頼できる情報を集めて、調べてみました。そうすると「そうだったのか」という驚きがいくつもありました。その中から二つ紹介します。
その一つは、キンモクセイは雄株(おかぶ)しか確認されていないということでした。
モクセイ属の樹木は雌雄別株なので、キンモクセイが有性生殖を行うためには雌花(めばな)をつける株も存在しなければならないはずです。しかし雌株(めかぶ)の存在は確認されていないとのことです。
雄株にはめしべがありません。当然、受粉することがないため、実はなりません。
ではどうやって株を増やしてきたのでしょうか。ずっと挿し木で増やしてきたということでした。
そのため日本には雄株しかないのだそうです。
二つ目は、キンモクセイという植物の名を漢字(金木犀)で表すと、そこに動物の名前が含まれているということでした。
「キンモクセイ」の「キン」はオレンジ色の花を金色に見立てたことから「金」の字を当てられています。これはわかりやすいと思います。
問題は「モクセイ」です。それはその木の樹皮がある動物の肌に似ているということから当てられたそうです。
その動物、皆さんは何だと思いますか。
ヒントを出します。その動物は陸上では象に次ぐ大型哺乳類です。皮膚は厚く、毛はほとんどありません。 鼻先に1本または2本の角があるそうです。
さあ、皆さん。皆さんが思い描いた動物は何でしたか。その動物の皮膚とキンモクセイの樹皮が本当に似ているのか、実際に観察してみましょう。
これで校長先生のお話を終わります。
〔参考文献〕宮内泰之「キンモクセイ」(恵泉女学園大学園芸文化研究所報告『園芸文化』第14・15号「恵泉 樹の文化史12」)
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ではまた 坂口満宏