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皆さん、おはようございます。
12月の和風月名は「師走(しわす)」です。
師走の由来には諸説ありますが、最も有名なのは「 師匠といえども趨走(すうそう、走り回る)する」というもので、師匠である僧侶が各地でお経をあげるため走り回っていたから「師馳(しはす)」という説です。少なくとも平安時代には十二月は「しわす(しはす)」とも呼ばれていたようで、平安末期の辞書『色葉字類抄(いろはじるいしょう)』には「臘月(ろうげつ)シハス、十二月同俗云師馳有釈」とあって、「シハス」とは「師が馳せる」の意味として俗に解釈されているとしています。
さらにずーっと時代が下がり、近代になると、年末になると学校の先生も忙しくなり、走り回ることが多い、だから「師走」という文字が当てられた、という俗説が広まりました。しかし今では先生方は年がら年中忙しく、走り回っていますので、毎日が「師走」のようです。
走るということでは、校長先生には自分の行動を反省し、繰り返さないようにしようと決めた思い出があります。それは30年余り前にカナダの大学図書館で資料調査をしていたときのことです。探し求めていた本を見つけ出しましたので、コピーを取る許可をもらい、嬉しさのあまりその本をもってコピー室へと駆け出したときです。図書館のスタッフから
「廊下を走ると泥棒に間違えられますよ」
と注意されました。ハッとしました。
「廊下を走るな!」Don’t run in the hallway!というきつい言葉ではなく、 「廊下を走ると泥棒に間違えられますよ」If you run down the hallway, you’ll be mistaken for a thief.といわれたように思います。素敵なふわふわ言葉だったので今でも覚えています。。
それ以来、時間に追われて廊下を走り出したい気持ちになったときには
「廊下を走ると泥棒に間違えられますよ」
ということばを思いだし、走らないようにしています。
「『師走』と書きますが、校長先生は廊下を走りません」というお話でした。
これで校長先生のお話を終わります。
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ではまた
坂口満宏