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2024年12月23日 2学期終業式の校長式辞 ―「体験」を「経験」に変えるために必要なことー (学校長のブログ)

24.12.23

皆さん、おはようございます。今日は12月23日(月)、2024年度2学期終業式の日です。

8月29日の2学期始業式から今日まで、皆さんは元気に登校してきました。その日数を合計すると何日になると思いますか。学年によって授業日数は異なるのですが、1年生から5年生は74日、6年生は75日でした。この間にはインフルエンザの流行によって学級閉鎖、学年閉鎖となったクラスもありました。こうした授業日数は足したり、引いたりすることができる数字ですので、以前お話しした「量的データ」にあたります。

 

この間に皆さんは、教室での学びはもとより、校外での体験学習ということで、いろいろなところに出かけました。学年ごとに振り返ってみましょう。

 

1年生は、10月2日に大原野グラウンドへ行き、稲刈りと芋ほりをしてきました。この体験学習には2年生、3年生も参加してくれました。

 

2年生は、11月8日に1年生と一緒に生きているミュージアム・ニフレルへ遠足に行きました。そして生き物にふれてきました。

 

3年生は、11月20日に宗教体験学習として親鸞聖人ゆかりのお寺をめぐるバス旅行に出かけ、西本願寺と青蓮院の植髪堂(うえがみどう)を拝観してきました。

 

4年生は、9月17~18日に一泊二日の林間学校としてアクトパル宇治に行きました。川遊びの後は、薪に火をつけ、玉ねぎを刻み、みんなでカレーライスを作りました。

 

5年生は、10月30~31日に一泊二日の宿泊行事で宮津・舞鶴へ行きました。丹後海と星の見える丘公園では笹やぶの下草刈りを体験し、舞鶴漁港ではマイナス40度の冷凍庫にも入りました。舞鶴引揚記念館ではユネスコ世界記憶遺産に登録されている資料を見学し、語り部のお話を聞きました。

 

6年生は、9月20日に林間学校として親鸞聖人が修行された比叡山へ行き、座禅や写経の修行体験をしてきました。日ごろの喧騒から離れ、座禅を組むことで、身も心もリフレッシュできたことでしょう。

 

このようにここでは皆さんの体験学習の取り組みを学年ごとに整理し、説明してみました。これらを日付ごとに並べるならば小さな年表となります。ただし、数多くある行事の中から何を取り上げるのかということは、年表を作る人の主観に左右されるものです。こうした資料は「質的データ」とみなされます。

 

さて、ここで一つ質問です。「体験」という言葉とよく似たものに「経験」という言葉があります。皆さんはどのように区別していますか。

 

「体験」とは、実際に見たり聞いたりしたこと、やってみたことそのもののことをいいます。芋ほりであれば、土の中からせっせとサツマイモを掘り出した、あの「体験」のことです。

それに対して「経験」とは、実際に「体験」したことを通して身についたことや得られた知識、技能ということになります。

芋を掘り出すとき、指先を傷めないように軍手をはめました。そして土が固くなっていましたので小さなショベルを使いました。それはすでに芋ほり経験のある先生や阪神園芸の方々が、軍手とショベルを用意しておくと安全に芋をほることができるということを理解しているからでした。

 

では、ショベルを使えるようになったからといって、サツマイモの真上からショベルを突き刺したらどうなるでしょう。そうです、サツマイモに傷をつけてしまいます。ですから次にはそうした「失敗」を繰り返さないようにしようとして、どこにショベルを差し込むといいのか頭の中で考え、注意深く土を掘り返すようにしたと思います。

 

このように皆さんは、ほんの一瞬の間で失敗したことを反省し、振り返ることで「体験」を「経験」に変えていたことになります。「体験」したことを振り返り、「経験」に変えることができるようになれば、それは「教訓」となり、これから新たなことに取り組もうとするときに、大いに役立つものになるといえます。そしてこうした「経験」が、行間というすきまを補うために使う常識的な知識であるスキーマとなっていきます。

 

皆さん、今日は2学期の終業式、重要な儀式の日です。おうちに帰ったら『成長の記録』を両手で捧げ持ち、おうちの方に手渡しましょう。そしてしっかり見てもらいましょう。

 

冬の真っただ中です、まだまだ寒い日が続きます。インフルエンザなどの感染症に十分に注意し、楽しい冬休みを過ごしましょう。そして良い年を迎えてください。1月8日にお会いしましょう。

これで校長先生のお話を終わります。

 

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ではまた   

坂口満宏

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