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5月12日の全校朝礼 食べるとはどういうことだろう

25.05.12

皆さん、おはようございます。

4月の全校朝礼では、「いきものってなんだろう?」というお話をしました。

今日は、それに続けて、「食べるとはどういうことだろう?」ということを、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。

 

さて、先週から1年生も給食が始まりましたね。

みなさん、給食は楽しみですか?

今日の給食、何が出るか知っていますか? わくわくしますね。

 

ところで、附属小学校では、給食の前に「食前のことば」を唱えます。

1年生の皆さん、もう覚えましたか? こんな言葉です。

 

    多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。

    深くご恩を喜び、ありがたくいただきます。

 

この「ごちそう」は、野菜やお米、お魚やお肉、

たまごや果物など、もともとはすべて生きていた“いのち”でした。

その“いのち”をいただくことで、わたしたちは元気に生きることができます。

つまり、「食べる」ということは、「ほかのいのちをもらって、自分が生きる」ということなんです。

 

そして「みなさまのおかげ」とありますね。

この「みなさま」って、だれのことでしょうか?

 

野菜やお米を育ててくれた人、魚をとってくれた人、運んでくれた人、料理してくれた人…。

たくさんの人たちが、みなさんの食事に関わってくれています。

その前には、雨、土、太陽といった、自然のめぐみもあります。

そう考えると、「食べること」は、自分ひとりだけでは、けっしてできないということがわかります。

 

実は、今日のお話のヒントになった本があります。

『食べるとはどういうことか』という本で、藤原辰史(ふじはら・たつし)先生という歴史学者が書いたものです。

 

藤原先生はこう言っています。

「食べる」というあたりまえのことを、じっくり考えてみる(哲学してみる)と、「人間ってなんだろう?」とか「生きるってどういうこと?」といった、もっと大きなことが見えてきます。

 

 

校長先生も、今日の給食をしっかり味わいながら、

「食べるってどういうことだろう?」と、心の中で考えてみようと思います。

 

みなさんも、いつも食べているごはんについて、

すこしだけ立ち止まって考えてみてください。

すると、いままで見えなかったものが、少しずつ見えてくるかもしれません。

 

そして、食べ終わったあとは、

 

     尊いおめぐみをおいしくいただき、ますます御恩報謝につとめます。

     おかげで、ごちそうさまでした。

 

と、心をこめて唱えましょう(合掌)。

 

これで、今日の校長先生のお話を終わります。

 

  〔参考文献〕 藤原辰史『食べるとはどういうことか』(農文協、2019年)

 

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ではまた

坂口満宏

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