TOPICS
皆さん、おはようございます。
皆さんは、ふだん見ている景色の中に、「あれ?」「なんでこうなっているんだろう?」と、ちょっとした不思議を感じたことはありませんか?
今日は、みなさんが取り組んでいる「探究ミッション」には、どんな意味があるのかを、いっしょに考えてみたいと思います。
これまでのミッションでは、たとえば──
校門のそばにある緑の木、壁に飾られた卒業生の作品、理科室のガイコツさんや人体模型に着目してきました。
どれも、ふだん何気なく見ている「当たり前の風景」ですよね。
でも、ちょっと立ち止まって「なんでだろう?」「どういう意味があるんだろう?」って考えてみると、ふつうの中に不思議がかくれていることに気づけます。
たとえば、卒業生の作品に描かれていたいろんな生きものたち。
「この動物は何だろう?」「なんでここにいるんだろう?」と想像してみると、「いのち」って何だろう?という問いにもつながっていきます。
そこにこめられた願いや思いを感じることで、ものごとを深く考える力も育ちます。
理科室のガイコツさんからは、「白衣に絵を描いてください」と言われましたね。
ふだんはしゃべらないモノが、まるで語りかけてくるみたいだったと思います。
みなさんが描いてくれた色や模様の一つひとつには、その子のこころがあらわれていました。
もしかすると、モノにも「こころ」があるのかもしれない。
そうやって想像する力は、人やモノを大切に思う気持ちへとつながっていきます。
「からだのひみつ探偵」さんの問いかけ、覚えていますか?
「こころはどこにあると思いますか?」という質問でした。
それに対して皆さんは、「胸かな?」「頭の中かな?」と、自分のことばで一生けんめい答えてくれましたよね。
この問いには、正解はありません。
でも、そのことばのすべてが、考える力や、相手とつながる力を育ててくれます。
「校長先生からの探究ミッション」は、正しい答えを見つけることが目的ではありません。
いちばん大切にしたいのは、
気づく力、 感じる力、 伝える力。
この3つの力を育てることに本当の目的があります。
こうした力は、勉強の中でも、人との関わりの中でも、そして大人になってからも、きっと皆さんを支えてくれるはずです。
では最後に、今回の探究ミッションを紹介します。
みなさんが毎日見ている切り絵の絵を写真に撮り、ちょっとだけアレンジしました。
本物とよく見比べて、「ちがうところを6つ」見つけてください。
そして、この切り絵がどんな場面をあらわしているのか、自由に想像してみてください。
この活動は、宗教の時間ともつながっています。
「ふつう」に見える中にも、不思議や意味がある。
そんな見えないものに目を向ける力を、これからも育てていきましょう。
これからも、みなさんといっしょに、
「なんで?」「どうして?」といった不思議や問いを、楽しく探し続けていきたいと思います。
きっと、みなさんの毎日が、“気づきのタネ”でいっぱいになるはずです。
これで校長先生のお話を終わります。
————————-
ではまた
坂口満宏