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皆さん、おはようございます。
前回のZOOM朝礼で紹介した、まん中に鹿が描かれた切り絵のミッション。
多くの人が挑戦してくれました。ありがとうございます。
このミッションは☆5つの難易度ですので、今日はそのヒントを少しだけお伝えしようと思います。
それは「一見関係がなさそうに見える知識も、つなげて考えることで、大きな意味が見えてくることがある」ということです。
たとえば、日本の歴史で学ぶ「十七条憲法」。
飛鳥時代の政治家・厩戸皇子(うまやどのおうじ)、つまり聖徳太子が定めたもので、その第二条にはこう書かれています。
「篤く三宝を敬え。三宝とは仏・法・僧なり。」
この「三宝(さんぼう)」とは、
仏(ぶつ)=お釈迦さま
法(ほう)=その教え
僧(そう)=教えを学び、実践する仲間たち
仏教において、最も大切にされる三つのよりどころです。
そして皆さんはお仏参のとき、「ぼくたち、わたしたちは仏さまが大好きです」といって、こう唱えていますね。
・ブッダーン・サラナーン・ガッチャーミ (私は仏に帰依します)
・ダンマン・サラナーン・ガッチャーミ (私は法に帰依します)
・サンガーン・サラナーン・ガッチャーミ (私は僧に帰依します)
これは「三帰依文(さんきえもん)」と呼ばれるもので、実は皆さんは知らず知らずのうちに、十七条憲法に書かれていた「三宝を敬う」という教えを実践していたのです。
さらに、先日宗教の先生とお話ししていたときのことです。。
「インドの国旗に、車輪のようなマークがありますね」と尋ねられました。
あのマークは「法輪(ほうりん)」と呼ばれ、お釈迦さまの教えが世界に広がっていく様子を表しているのだそうです。
「十七条憲法」「三宝」「仏法僧」「三帰依」「インドの国旗」「法輪」――
最初はバラバラに見える言葉や知識も、つなげて考えることで、まるでパズルのピースがぴたりとはまるように、一つの物語が立ち上がってきます。
さて、そんな視点で、もう一度「まん中に鹿が描かれた切り絵」を見てみてみましょう。
絵の見え方が、少し変わってきませんか?
知識は、つながることで深まり、生きたものになります。
そして、世界の見え方も変わっていきます。
知ることは、世界を広げることです。
皆さんの毎日が、そんな発見で満ちていくことを、校長先生は心から願っています。
それにしても――
なぜ、この切り絵には「鹿」が描かれているのでしょう?
金閣寺の正式な名前、覚えていますか? そこにも「鹿」という文字が使われていましたね。
仏さまと鹿には、どのようなつながりがあるのでしょう?
さらに調べてみたいものです。
これで校長先生のお話を終わります。
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ではまた。
坂口満宏