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9月20日(土)、2026年度A日程入試の速報会が開催されました。
そこでの挨拶の一部を紹介します。
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本日は、附属小学校の入試速報会にご参加いただき、誠にありがとうございます。 8月末に実施した2026年度入試の概略につきましては、この後、副校長が説明しますので、私からは今年度より取り組んでいる「本物と触れ合う授業」について紹介させていただきます。
本校のホームページでも随時お知らせしておりますので、ご覧いただいているかと思いますが、今年度から総合的な学習や図工の時間を活用し、様々な外部の方々と連携しながら、東山七条という地の利を生かした本校独自の授業を展開しています。
4年生では「草木染」に取り組み、袱紗(ふくさ)を染める作業を行いました。
講師には、人間国宝・志村ふくみさんのお孫さんである志村宏さんをお招きしました。
1学期には第2グラウンドに藍の苗を植え、それから2カ月が過ぎましたので、先日、夏の日差しをたっぷり浴びて育った藍の葉を収穫してきました。
刈り取ってきた葉を袋に詰めて染料をつくり、子どもたちはその染料で袱紗を染め上げました。
さわやかな青色に染まった袱紗には、自然の恵みと子どもたちの思いが込められていました。
11月からは、5・6年生による取り組みとして、伝統工芸の学習と関連づけた陶芸教室を開催することにしています。抹茶椀の制作に挑戦し、土に触れることで日本のものづくりの精神を体験してもらう取り組みです。講師には、清水六兵衛さんとお二人のお子さんをお招きします。いずれも本校の卒業生であり、伝統を受け継ぎながらも独創的な活躍をされている方々です。
小学生の探究活動や体験は、子どもが自ら考え、学ぶ力を育む大切な機会です。実際に手を動かし、試行錯誤を重ねることで、思考力や創造力が養われ、学びへの意欲も高まります。こうした経験は、将来にわたって生きる力の土台となることでしょう。
探究という観点では、この9月からイタリアで開発されたレッジョ・エミリア・アプローチを用いた探究授業を、1年生を対象に始めています。講師はアトリエリスタの津田純佳さんです。
そして今回は「和の学校」という裏千家とつながりのある団体と連携し、日本家屋の欄間や茶道具を制作する際に出てきた端材を多数ご提供いただきました。子どもたちはそれぞれお気に入りの木片を選び、形や模様の面白さを観察したり、香りをかいだり、向きを変えてみたりと思い思いに探究を楽しんでいます。
こうした「本物と触れ合う授業」の目的は、学びの主体が子どもたち自身であるという教育理念を実現することにあります。 本物に触れることで、子どもたちは自ら問いを立て、深く考え、豊かな感性を育んでいくことでしょう。
今後も、子どもたちの可能性を引き出す学びの場を創造し続けてまいりますので、本校の取り組みに注目していただきたいと思います。
はなはだ簡単ですが、これをもって校長の挨拶といたします。
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ではまた
坂口満宏