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9月29日の全校集会 「収穫体験」から始まる探究の旅 ~さつまいもに全集中!~

25.09.29

皆さん、おはようございます。 

今週の10月1日(水)、1年生と2年生の皆さんは、大原野にある田んぼや畑で、稲刈りやさつまい芋ほりの収穫体験を行います。 

3年生以上の皆さんは、1年生のときの体験を思い出してみてください。 

この体験は、ただの行事ではありません。皆さんの「探究活動」のスタートでもあるからです。 

 

今年は6月11日の大雨の影響で、田植えができませんでした。そのため、農家の方が皆さんの代わりに苗を植え、大切に育ててくれました。稲刈りの日には、その農家の方が来てくださいます。「今年の稲の出来はどうですか?」と、ぜひインタビューしてみましょう。 

米作りの苦労や工夫について、たくさん教えてくれるはずです。 

さつまいもは、大学のグラウンドを整備している阪神園芸さんが育ててくれました。係の人に、今年の芋の育ち具合についてもいろいろ質問してみましょう。 

こうして、学びはどんどん広がっていきます。 

 

稲刈りやお米の話については、次回の全校集会で取り上げることにしますので、今回は皆さんの大好きなさつまいもに全集中してみましょう。 

 

●さつまいもはどこから来たの?

さつまいもは、今から約1万年前には中南米で食用されていたようで、その後、南の島々に広がり、15世紀の終わりごろにコロンブスがヨーロッパに持ち帰ったとされています。しかし、ヨーロッパでは寒冷地に強いジャガイモが重宝されたため、さつまいもは広まりませんでした。 

 

1593年にフィリピンから中国へ伝わり、1605年には野國總管(のぐに そうかん)が中国から沖縄(当時は琉球)に持ち込んだといわれています。中国、つまり「唐(から)」の国から来たいもなので、「唐芋(からいも)」や「甘藷(かんしょ)」と呼ばれていました。 

 

その後、沖縄から日本各地に広がっていったのですが、どうして「さつまいも」と呼ばれるようになったのでしょう?ふしぎですね。 

 

●昔から人々のくらしを支えてきた、大切な食べ物

さつまいもは土の中で育つため、台風などの強い風にもあまり影響を受けません。火山灰が降りつもった荒れた土地でも育てやすく、全国に広まっていきました。江戸時代の干ばつや飢饉のときはもとより、80年あまり前の戦中・戦後の食糧不足の時代にあって、人々を飢えから救ったのもさつまいもでした。 

 

さつまいもには、昔からたくさんの種類がありました。日本でも、沖縄に伝わってから多くの品種が生まれ、明治時代の終わりには記録によれば約300種類もあったといわれています。そのうちの3分の1は沖縄で作られたそうです。 

 

●さつまいもの葉っぱと茎

ところで皆さんはさつまいもの葉っぱや茎を見たことはありますか? 

食べ物としても非常に優れており、いもの部分だけでなく、葉や茎まで食べることができます。 

栄養豊かなさつまいもは、お米のように主食となり、葉っぱや茎は野菜のように副菜としても活用できます。それなのに、どうしてお店では葉っぱや茎は売られていないのでしょう? 

畑に葉っぱのついた茎を並べ、そっと土をかけておくと…いったい何が起こると思いますか? 

さつまいもをめぐる疑問は、尽きることがありません。 

 

  • さつまいもから広がる学びのタネ

さあ、さつまいもを掘り出しました。手の中にあるさつまいもをじっくり見つめてみましょう。 

その中には、昔の人のくらしや、畑でがんばる人の知恵、そしてこれからの未来につながる「学びのタネ」がぎっしり詰まっています。 

芋ほりをきっかけに、さつまいもについてもっと調べてみませんか。いろいろな食べ方も試してみたいものです。さつまいもから始まる探究の旅です、みんなで楽しんでいきましょう。 

 

これで校長先生のお話を終わります。 

 

〔参考文献〕 山田尚二『さつまいも―伝来と文化』 (かごしま文庫19、春苑堂出版、1994年) 

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ではまた 

坂口満宏 

 

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