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今年度も残すところ二か月となりました。
附属小学校において、2月の最大行事といえば音楽会です。
2月の京都コンサートホールに、附属小学校の子どもたちの歌声が響く――それは今や、本校の冬の風物詩となっています。
昨年度、私自身も初めて音楽会に参加しました。京都コンサートホールを会場として実施されていることに、あらためて私立小学校ならではの特色を感じると同時に、「このような大規模な音楽会は、いつ頃から始まったのだろう」という素朴な疑問が湧きました。そこで学園の『百年史』などをひもといてみましたが、音楽会に関する記述は見当たりませんでした。
それならばと、昔取った杵柄を生かし、過去60年分の『学校日誌』を調査してみました。こうして、断片的な記録の中から少しずつ浮かび上がってきたのが、附属小学校における音楽会の歩みです。
『学校日誌』にみる附属小学校の音楽会
1965年度以降の日誌をたどると、「音楽会」が定例行事として記録され始めるのは1979年度からで、その頃は毎年6月中旬に体育館で開催されていたことが分かりました。
2008年度の日誌には「〔6月10日〕音楽会の看板作成」との記録があり、翌11日には「音楽会 本日看板つりさげ 合同朝礼のようにならぶ」と記されています。このとき作られたものが、現在も使用されている「おんがくかい」の看板です。
やがて音楽会は、学校の枠を越えた広がりを見せ始めます。
外部施設を利用した初めての音楽会は2009年11月で、会場は京都テルサホールでした。京都テルサのホールでは全児童と保護者を一度に収容できないということで、1部(1・3・5年)と2部(2・4・6年および音楽同好会)に分けて実施されました。
その後、2010年と2011年の音楽会は児童のみのものとして体育館で行われ、2013年2月に再び京都テルサホールで音楽会が開催されました。この年も二部構成でしたが、保護者コーラスグループ「こらぼらんてぃあ」や卒業生による「ふじの子合唱団」、さらに大学教員も加わり、活動の広がりが見られました。
一方、京都テルサでは収容人数の課題が解消されないため、2014年からは京都コンサートホール大ホール(1,833席)を会場とする形へ移行。以降は、体育館での校内音楽会と京都コンサートホールでの音楽会を隔年で実施する体制が整い、2018年2月には創立60周年を記念した音楽会が開催されました。
コロナ禍と開催形式の工夫
2020年度の音楽会は、学園創立110周年記念行事として2021年1月の開催が予定されていました。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大により、大阪・京都・兵庫の三府県に緊急事態宣言が発令されたことから、開催は3月へ延期。密を避けるため、第1部(1・2年)、第2部(3・5年)、第3部(4・6年)の三部構成で実施しました。
コロナ禍の影響は翌年度も続き、鍵盤ハーモニカやリコーダーの演奏を控える必要があったため、1~4年生および6年生は音楽室で短時間の歌唱、5年生はカスタネットの合奏をそれぞれ収録。2021年6月3日に校内音楽会として各教室で動画を鑑賞する形式となりました。限られた条件の中でも、子どもたちの発表の場を何とか確保しようとする工夫と努力が、この時期の音楽会には色濃く表れています。
2023年以降は、京都コンサートホールと校内音楽会の隔年開催に戻りました。ただし、コンサートホールでの実施を望む声が多かったことから、2024年度以降は毎年コンサートホールで開催することとしました。こうして受け継がれてきた音楽会は、今年度、2026年2月15日に開催される運びとなりました。
アンパンマンのマーチとRADWIMPS の「正解」
今年度の音楽会の演目は、第1部8曲、第2部7曲の全15曲。このなかにはコーラス部(5・6年生)による合唱、音楽同好会(4・5・6年生)による吹奏楽、こらぼらんてぃあ(保護者)による合唱も含まれています。今年度は大学の先生方の出演はありませんが、充実した構成になっています。とりわけ、冒頭に「アンパンマンのマーチ」をいれ、トリをRADWIMPS の「正解」としているところは聴きどころです。
アンパンマンのマーチは、困っている人を見つけたら力になろうとする気持ちを大切にし、自分にできる小さなやさしさが、人を助ける力になるというメッセージがあります。そして「なんのために生まれて なにをして生きるのか」という有名な問い掛けは、答えを示すためではなく、問い続ける姿勢そのものを肯定しています。
一方の「正解」は卒業ソングとしても知られているそうですが、
「あぁ 答えがある問いばかりを教わってきたよ だけど明日からは僕だけの正解をいざ探しにゆくんだ また逢う日まで」
「採点基準は あなたのこれからの人生」
という歌詞からは、ひとつだけの“正しい生き方”なんてないよ、と教えてくれます。そしてどの道をえらんでも、まちがえたり、悩んだりしながら進んでいく中で、「自分の正解は自分で決めていこう」という考え方が示されています。
正解のない問いを立て、状況に応じた最適解を探してみようと挑戦すること――まさに本校が目指している子ども像を象徴した楽曲の組み合わせだと思います。
多数のご参加をお待ちしております。
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ではまた
坂口満宏