TOPICS
皆さん、おはようございます。
2月2日ですが、今回が今年度最後の全校朝礼で、最後の音読集会ですので、校長先生からは「音読を通して考える利他の心と、友だちを思いやるということ」という話をしたいと思います。
「利他の心」という言葉については、三学期の始業式でお話ししました。
「友だちを思いやる」ということについては先週のZOOM朝礼で示したように、皆さんが一番大切にしている言葉だといえます。
私たちが毎日の生活の中で大切にしたい「利他の心」とは、自分のことだけでなく、まわりの人のしあわせや安心を願う心です。友だちが困っているときに「どうしたのかな」と気づいたり、うれしそうにしているときに「よかったね」と一緒に喜んだりする。その自然な心の動きが利他の心のはじまりです。
谷川俊太郎さんの詩には、そんな心のあり方を照らす言葉があります。
たとえば「そっと うた」という詩の中で語られる「そうっと そっと/うさぎの せなかに/ゆきふるように」という一節は、私たちが気づかないところで、誰かが自分のことを大切に思ってくれているという温かさを伝えています。
思いやりとは、まさにその「思っていますよ」という静かなまなざしのことです。相手の気持ちにそっと寄り添うことは、言葉にしなくても相手の心を支える力になります。
皆さんは、最近だれかに「そっと」寄り添ったことがありますか。
金子みすゞさんの詩にも、利他の心につながる世界の見方があふれています。
たとえば金子さんの詩には「鈴と、小鳥と、それから私、/みんなちがって、みんないい」(「私と小鳥と鈴と」)という有名な一節がありますね。これを読むと友だち一人ひとりのちがいを大切にし、そのままの姿を認めることの大切さに気付かされます。思いやりは、相手を自分の思いどおりにしようとすることではなく、「その人らしさ」を尊重するところから生まれます。
では、利他の心にもとづいた思いやりには、どんな意味があるのでしょうか。
今日は、三つのことを伝えます。
一つ目は、友だちとのつながりが深まることです。
思いやりのある行動は、友だちに「自分は大切にされている」という安心を届けます。
安心は信頼につながり、信頼は友情を育てます。
谷川俊太郎さんの詩が教えてくれる「そっと そっと」という気持ちは、友だちの心に静かに届いていきます。
二つ目は、自分の心も豊かになることです。
友だちの笑顔を見て、自分もうれしくなることはありませんか。
それは、心が相手とつながっているからです。
金子みすゞさんが詩で伝えてくれた「ちがいを認めるまなざし」は、自分の心を広くし、やさしくしてくれます。
三つ目は、みんなが安心して過ごせる場がつくられることです。
失敗しても責められない。
困っていたら、自然と手が差し伸べられる。
そんな教室や学校は、一人ひとりの思いやりの積み重ねによって生まれます。
利他の心は、特別な人だけが持っているものではありません。
皆さん一人ひとりの中に、すでにある心です。
大切なのは、それに気づき、行動にうつすことです。
三学期も、残り二か月足らずとなりました。
毎日の学校生活の中で、だれかの気持ちに「そっと」寄り添うことができた場面を、ぜひ思い出してみてください。
そして、これからもそんな一瞬を大切にしてほしいと思います。
その小さな一歩が、あなた自身の心を育て、まわりの人の心をあたためます。
みんなが安心して過ごせる学校を、これからも一緒につくっていきましょう。
今日も最後まで話を聞いてくれて、ありがとうございました。
これで校長先生の話を終わります。
—————————
ではまた
坂口満宏