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7月16日(火)の放送朝礼でお話ししたことの一部を紹介します。
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皆さん、おはようございます。
1学期も今日を含めて残り4日となりました。1学期の振り返りについては19日の終業式に行いますので、今朝の放送朝礼では「マンダラートを作ってみよう」というお話をします。「国語力の3乗」に「行間を補うスキーマ」、そして今回は「マンダラート」です。校長先生の朝礼では毎回、毎回、聞きなれない言葉が飛び交いますね。
「マンダラート」とは、密教の世界観を表した絵画の「マンダラ」と、芸術を意味する「アート」を組み合わせた造語だそうです。ビジネスの世界では、思考の整理や目標達成のためのフレームワーク、思考展開のためのツールとして活用されています。9×9の81個のマス目の中に思いついたことを書き入れていくことで、ぼんやりとしていた考えがはっきりとみえるようになるというものです。メジャーリーガーとして活躍している大谷翔平選手も花巻東高校の1年生の時にマンダラートという手法を使い、目標達成までの道のりを細かく書き込んでいたということで注目されました。大谷選手がどのようなマンダラートを書いていたのかということについては、インターネットで見ることができますので、皆さんもおうちの人と一緒に検索してみてください。
ここでは校長先生が最近読んだ『大人は知らない今ない仕事図鑑100』(講談社、2020年)とい本の巻末に掲載されていた「自分発見9マスシートの作り方」を紹介したいと思います。
『大人は知らない今ない仕事図鑑100』という本は、小学生を対象にしたもので、国連が提起した持続可能な開発目標(SDGs)に沿って、いま世界で何が起こっており、環境問題や人口変化、格差の拡大やAIに代表されるコンピュータの進歩によって、これからの仕事にどのような変化がもたらされるのかと予想し、多くの課題を解決するために今はまだ存在しない仕事がたくさん作り出されていくでしょうとして100個余りのアイデアやヒントを示してくれる本です。それらはいずれもユニークなもので、なるほど、と思わせるものですが、この本の重要なところは、今はまだない仕事のアイデアの提示に留まらず、この本を読み終え子どもたちに向って次のように述べていることです。
今、世の中で起きていることを知って、未来のイメージがわいてきたかな? それでもまだ自分が何をしたいのか、目標が見つかって いないし、やりたい仕事も分からないなんて人も多いんじゃないかな? ・・・・・・すぐに目標が思いつかなくても、将来、何をしたい かわからなくても大丈夫。まずは、「今、何をしているのが楽しいか」「自分はこんなことが得意」を気楽に考えるところから、始めてみよう!
(『大人は知らない今ない仕事図鑑100』、154ページ)
そして自分の将来を「見える」化してみよう、具体的な目標を書いてみようと、「自分発見」の方法を提案していることです。そこで示されたのが「自分発見9マスシート」というマンダラートでした。
『大人は知らない今ない仕事図鑑100』で示されていた「自分発見9マスシート」をもとに、校長先生がエクセルで書き込めるシートを作ってみました。「校長先生のブログ」に添付しておきましたから、夏休みを利用して、おうちの方々と一緒に話し合いながら、思いついたことを気楽に書いてみませんか。それぞれのマスに書き入れることは以下の8つのことがらです。
①楽しい!・・・今やっていて、自分が楽しいと思うことを書こう。
②得意!・・・今、自分が「これは得意!」と思うものを書こう。
③ぼく・わたしは○○・・・「のんびり屋」「心配性」など自分の性格や特徴について書こう。
④〔 〕から見たいいところ・・・家族や友だちに「自分のいいところ」を聞いて書こう。
⑤こんなのいいな!・・・「こんな風になったらいいいな」という自分の希望や夢を書こう。
⑥こんなのいやだな!・・・「こんな風になったらいやだな」ということ、なりたくない自分を書こう。
⑦こんなことをしてみたい!・・・①~⑥で見えてきた自分が「将来こんなことをしてみたい!」「これならできそう!」と思うこと を書こう。
⑧すぐにやってみよう!・・・⑦で見えてきた、「こんなことをしてみたい!」という大きな目標に対して、今すぐにできそうなことを考えて書いてみよう。
(『大人は知らない今ない仕事図鑑100』、157ページ)
シートが完成したら自分の部屋やリビングの壁など、目に見えるところに貼っておきましょう。気持ちが変わってきたら書き直してもかまいません。表にすることで「目標」が目に見えるようになり、現実化していくそうです(同上、160ページ)。
「自分発見9マスシート」のマンダラートという方法、きっと皆さんの「自己肯定感」を高める手助けになってくれることでしょう。
今日のお話はここまでです。
一日一日を大切に過ごしていきましょう。
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ではまた 坂口満宏